助産院と病院の違い

看護師のなかでも過酷と言えるのが助産師の勤務状況です。助産師が転職に向けて大事にしている条件も残業時間についてではないでしょうか。

助産師が助産院勤務の場合、その勤務時間は開院時間に合わせた勤務が基本。
しかし、お産というのはある程度の兆候があっても産まれるのはいつか分かりません。なので、お産があれば呼び出しされる事は当然あり、場合によっては泊り込む事も日常茶飯事です。 また、比較的規模の小さい助産院では、一人の助産師が任される仕事の量も多いもの。その為か、勤務時間もお産がある時とない時では随分と差が出てしまうようです。大きな病院と違って、看護する妊婦の数が限られている助産院。ある程度の予定を立てられ、規定の勤務時間で帰れるというメリットがある一方、予期せぬ事態には即対応しなくてはならないとデメリットがある助産院。そういった部分での対応力の良さはかなり重宝される存在になるといえるでしょう。

対し産婦人科病棟の勤務の場合は、日勤(8:30~17:15)、準夜勤(16:30~1:15)、深夜勤(0:30~9:15)という3交代勤務が基本。普通の看護師の勤務と同じですね。が、準夜勤と深夜勤は毎日あるわけではなく、基本業務としてある日勤の勤務に合わせてひと月に約8回ほど組み込まれる形になるといいます。というのも、準夜勤はまだしも深夜勤の時間帯は助産師の生活のリズムを乱れやすくするので、精神的・体力的負担はかなり大きいもの。そこで、日勤後の深夜勤禁止、準夜勤の翌日は休みにするなど、病院によってその勤務スタイルを工夫し、助産師がより働きやすい労働環境を作る所が少なくありません。 医療機関によっては毎日お産があるとも限りません。しかし、当然ながら産婦人科の仕事はお産以外にも婦人病の手術や入院など沢山あり、助産師は助産師としての仕事がない時には看護師として仕事を行います。

妊娠、出産は病気ではないものの、病気以上に何が起こるか予想がしがたいもの。 その為、分娩時間などの正確な予定時間が立てづらく、自分の受け持つ妊婦が勤務時間外に出産を迎えるという事も少なくはありません。自身が休みの日の出産であれば、助産院と違って呼び出される事はほとんどないですが、勤務時間中に始まった出産は終わるまで帰れずに付き合う事が多いとか。中には陣痛の最高潮の状態が24時間以上続く人も多いといいますから、長期戦になった時は覚悟をしなければならないかもしれません。最近は出産数の減少からか産婦人科医の不足が深刻化しています。しかし、助産師は産婦人科医ではなくあくまでも補助の為、帝王切開など緊急手術になった際は手が出せません。どちらかの勤務にせよ大変な事には変わりありませんが、自身の生活スタイルに合った勤務スタイルを選ぶ事が最も大切な事であるといえるでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です